僕が宗教をやめた理由

【実録】30年間信仰していた新興宗教をやめた男の体験記

“信仰の誇り”という複雑なロジック

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興宗教やカルトと呼ばれる宗教の信者たち(特に熱心な信者)は「自分の信仰に誇りを持っている」という言葉をよく使います。

 

二世信者がその宗教を離れていく現状を見て「二世信者が信仰に誇りを持てるようにしてあげたい」といって、対外活動に力を入れる信者もいます。

 

この“信仰への誇り”という言葉を聞いてどのような印象を受けますか?

 

信仰に誇りは必要なのでしょうか?

もし必要なら、どうして必要なのでしょうか?

誇りを持つとどうなるのでしょうか?

 

今回は信仰への誇りについて考察していきます。(少し複雑な内容になると思います…)

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二世信者同士“出会いの場”

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世信者同士の出会いはいくつかのケースに分けられます。

 

例えば、

  • 教団が主催する二世向けセミナーがきっかけで交流を深める
  • 教団の定例集会・礼拝で出会う
  • 信者である親が他の信者の家に行った時にそこの子どもと交流を持つ
  • 親が宗教施設に子どもを預けた時に同じような子と出会う
  • 相手が年上の場合は面倒を見てもらう

などが主です。

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プラスとマイナスが共存するバランスの取れた世界

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教の中にいた時は何が「善」で何が「悪」かをよく考えていました。

 

もちろんここでいう善悪のモノサシは自分が所属していた新興宗教の教理だったのですが…。自分の教理の中にあるものは善で、そこから外れるものは悪、その二択の中で育って、まるで全知にでもなったかのように錯覚していたのかもしれません。

 

その善悪のモノサシで測ればわたしは善人でした、たぶん。

 

けど宗教をやめてから気づいたのは、何が善で何が悪かは結構状況や場面、文化や時代背景でも変わってくるということです。

 

宗教をやめてからの自分はあまり頼れる人はいなく絶賛孤独奮闘中で、まるで人生のドン底のようです。もし善悪が状況によって変わる事に気付かなかったら、ちょうど心が弱っている分、宗教になびいていたかも知れません。

 

けど、世界はプラスだけじゃない。マイナスがあって初めてバランスを保てているんだと思うと、今のこの状況も必要な時期なのかな?って思えるようになりました。

 

左に依れば右に戻ろうとするし、右に依れば左に戻ろうとする。成功もあれば失敗もある。楽しい時もあれば悲しい時もある。すべてがうまくいく時もあれば、何もかもがうまくいかずやきもきする事もある。

 

プラスの時もあればマイナスの時もある。

 

そうやってバランスを取ろうとする世界に生きていると思うと、なんか気がラクになります。今日のこの寂しい日が、どうしてでしょう?少し、好きになれます。

 

ジムノペディ第1番が心地よい。

 

 

宗教が主流派と分派に分かれる理由

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ぼすべてと言っていいほど宗教は分派や幹部の対立という現象が起きます。

 

仏教も釈迦(シャカ)を開祖として、現代では無数の宗派がありますよね?

 

キリスト教もイエス・キリスト一人から始まったにも関わらず、カソリックとプロテスタントに分かれ、仏教同様無数の宗派に分かれています。

 

イスラム教も一神教を掲げているにも関わらず、歴史の中でスンナ派とシーア派に分かれました。イスラム教は今でも多様な実態を持つようになっていて、中にはイスラム国を名乗ってテロ活動を行う組織がでている状態です。

 

実はこのような宗教の分裂は比較的新しい新興宗教やカルト教団でも起きています。

なぜこのような分派や分裂が起こるのでしょうか?

 

今回は「宗教が主流派と分派に分かれる理由」について考察してみました。

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“宗教”という条件つきの家族関係

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きどき悲しくなるんです。わたしが宗教をやめる前後のことを思うと…

 

家族とは非常に仲が良く、周囲の人たちはいつもほめてくれたり、感心したり、「うらやましい」と言ってくれる人もいました。

子どもの頃のことを思い出しても、やっぱり普通の家庭よりは兄弟も仲がよかったように思います。

当然、家族としては今でも仲は良いのかもしれません。

 

しかし、宗教をやめた今ではどこまでが家族の関係で、どこまでが宗教の関係だったのかわからなくなってくるんです。

自分自身宗教の中にいた時は何も感じていなかった家族関係が、宗教をやめた途端、

「あれ?ぼくら家族ってこんなだっけ?」

と、思うことが多くなりました。

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あの女子高生は丸刈りにした。

 

丸刈りの女の子に会ったことありますか?

学生だったか、高校生だったか、ハッキリとは覚えていません。

わたしがいた宗教が主催する二世信者向けのセミナーが開催された時の話です。

割合大規模なセミナーで、文字通り日本全国の二世信者たちが集まりました(とはいっても信仰に積極的な二世ばかりですが)。

 

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宗教では幸福になれない?いつかは卒業するべきもの

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心な信者はその多くが宗教を信仰することで幸福を獲得しようとしています。

「信仰していれば病気が治る」
「死んだ後に極楽浄土(天国)に入ることができる」
「真っ先に恩恵を受けることができる」

口では言いませんが内心ではこのように思っています。

 

もちろん誰もが幸せになりたいと思っているでしょう。しかし、宗教が幸福を提供してくれることは本当にあるのでしょうか?

 

わたしの考えでは宗教の先に幸福はありません

 

宗教は自分を成長させるためのプロセスの一部であってゴールではないからです。ある程度したら今いる宗教を卒業することを考える方が賢明ではないでしょうか?

 

もちろん、幸福につながる要素はあるかも知れません。しかし、全体で考えるとやっぱり一部でしかないように思います。

少なくとも宗教だけで幸福が決まることはありません。

 

もっと言えば本当に幸福な人は幸福を求めることもしないのではないでしょうか?

「〇〇だから幸福だ」
「〇〇だから不幸だ」

宗教の中にいても幸福と不幸の論争は解決しませんでした。

 

結局幸福とか不幸とかから自由になった人が本当の幸せものなんじゃないか?と思う今日この頃。

 

猫になりたい。

 

家族がカルト教団に入信した!そんな時の心構え

家族がカルト教団に入信した!そんな時の心構え

「親や兄弟、自分の子どもが評判の悪いカルト教団に入信してしまった」

 

恐らくご家族としては心配になることでしょう。

 

わたしは新興宗教の中で生まれて、30年後にその宗教をやめました。そのためどうやって身内の信仰をやめさせるかということは専門ではありません。

 

しかし、新興宗教の中にいた経験的視点から、

  • どんな心構えが必要か
  • 何をしてはいけないか

というのは何となくわかります。

 

今回はその心構えについてカンタンにまとめました。

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【体験談】宗教か子どもか。自己犠牲ってそういう意味?

高熱の子どもよりも宗教活動

どもの頃保育所で高熱をだしたことがありました。

保育所から母に「高い熱なので今すぐ保育所に来てください!」という電話がかかってきたそうです。

母はその時、教団の活動中でした。

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宗教が狂気に走る日~オウム真理教と日本赤軍の共通点~

宗教がテロをする可能性

九九五年3月。日本中が“あるカルト教団”の狂気に震撼しました。

そうオウム真理教(当時)が起こした「地下鉄サリン事件」です。

  • 死亡者13人
  • 負傷者約6300人

通勤ラッシュで人が多い時間を狙った犯行でした。

 

新興宗教に対して警戒する人は、必ずと言っていいほどこのオウム真理教が起こしたテロ事件が頭をよぎるでしょう。

 

それまでにも日本国内で宗教が起こした事件はありました。しかしその多くは金銭的な詐欺が多く、オウム真理教のように

  • テロ活動
  • 軍事武装
  • 計画的殺害

ということはありませんでした。しかし1つの新興宗教が実際に集団でテロを起こしたのです。

 

今回は本来、人を癒し、救い、希望を持たせるはずの宗教が「狂気に走る日」とはいつなのかについて考えました。

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【体験談】まるで刑務所?新興宗教のセミナーでの経験※小学生編

小学生にとって新興宗教のセミナーはくっそ眠い

とんどのカルト教団では入信したあとでも定期的にセミナーを開催して、信者の参加を推奨しています。

 

セミナーは1日で終わるものもあれば、数日施設に泊まるカタチで実施されるものもあります(中には半年~数年というものも)。

 

今ではそれほどまでではないですが、わたしが子どものころ両親は熱心な信者だったのでよく数日家を空けてセミナーに参加していました。

 

わたしの場合は小学生のころから二世信者だけで集まるセミナーに参加させられていていました。

 

今回はわたしの実体験から新興宗教のセミナーでどんなことをするのか「ノベライズ風」に紹介します(ええ…ウケ狙いです)。

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新興宗教・カルト教団の問題14点考えてみた

新興宗教・カルト教団の問題14点考えてみた

たし自身宗教をやめた身です。

 

だからといって宗教それ自体を否定するつもりはありませんし、人生で必要なのであれば宗教が与えてくれるものを利用すればいいとは思います。

 

ただ宗教、特に新興宗教やカルト教団と呼ばれる組織やグループを見ると、やはり「え?なんでそうなった?」みたいなものはよくあります。

 

今回は宗教の中にいた経験から、独自の視点でカルト教団の問題点をいくつか挙げてみました(内側からの意見なので、実際にカルト教団に入信したことがない方は理解できない部分もあるかもしれません)。

 

実際は1つ1つの問題点で1記事ずつ書けるものですが、ここでは大まかに要点をしぼって解説します。

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新興宗教“二世信者”の人生~幼少期から青年期まで~

子どもの頃から宗教の中で育った二世信者

間が思っている以上に新興宗教の中にいる二世信者の状況は複雑です。

 

最近のニュースなら女優の清水富美加さんが二世信者だったということで話題になりました。

実際、元々親が新興宗教の信者でその家庭の中で育つとどうなるのか気になりますよね?

 

わたし自身が二世信者だったのでその内情は、人よりよく知っているほうだと思います。

特に二世信者同士の交流も活発だったこともあり、全体的な傾向もずっと見てきました。

 

今回はわたしの経験も交えて新興宗教、特にカルト教団の二世信者がどのような

  1. 幼少期
  2. 思春期
  3. 青年期

を経験するのか紹介します。

 

 

neutral-life.hatenablog.com

 

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宗教は本当に洗脳している?マインドコントロールとカルト教団の関係

あなたはもしかしたら宗教に洗脳されているかも?

脳とカルト宗教はよく連想されやすいトピックです。

 

特に宗教を信仰していない人からすると、中身の見えない宗教組織・教団というものは何をやっているのかわかりません。

 

「人をだましているのではないか?」
「洗脳して教祖の思い通りにコントロールしているのではないか?」
「マインドコントロールしているのではないか?」

 

このように実態の見えないものには少なからず疑いの念と不気味さを感じるでしょう。

 

今回はカルト宗教と洗脳の関係について紹介します。

 

洗脳とマインドコントロールの違い

洗脳とマインドコントロールの違い

おっと、その前に洗脳とマインドコントロールの違いについて触れてませんでしたね?

 

厳密にはニュアンスの違いかも知れませんがザックリいうとこういうことです。

  • 洗脳:肉体的苦痛(虐待・拷問・不眠)、薬物投与、電気ショックなど、暴力的手段を用いて相手の心を支配すること
  • マインドコントロール:心の隙や弱い部分に入り込み、情に訴えるような巧みな言葉で相手の心を変えるよう導くこと

洗脳になると違法性を匂わす行為になってきます。

 

マインドコントロールはテレビや新聞などの情報操作も一種のマインドコントロールです。

そのため普段わたしたちはいくつかのマインドコントロールと隣り合わせで生活していることになります。

 

それを善というか悪というかは人それぞれの解釈です。

 

洗脳とマインドコントロールで共通していることは「本人の意思を個人または組織や宗教の教義・主張・思想に変える」ということでしょう。

 

洗脳とマインドコントロールはどっちが解くのが難しい?

洗脳を解くのとマインドコントロールを解くのとでは洗脳の方がまだカンタンだともいわれています。

 

洗脳は本人の意志に反して力づくで思考を変えていることもあり、その効力はそれほど長続きしません。

そのため洗脳は1回で終わることは少なく、継続して洗脳を続ける必要があります。

 

しかしマインドコントロールとなると話は別。

他人の思想や教義を自分の思考や心理に落としこむことになるので、宗教に限らず、

  • 支持政党
  • 自己啓発
  • 左派右派思想
  • 学校

など、あらゆる場面で気づかない内にマインドコントロールされていることも考えられます。

 

人間一度「正しい!」と思ったものをカンタンに変えることはできません。

 

洗脳と違ってマインドコントロールが完了したあとは自分で教義に沿った行動をしてくれます。

 

マインドコントロールの恐ろしいところは、自分でマインドコントロールされているという実感がないこと。

 

だからこそマインドコントロールを解くのは難しくなります。

 

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カルト教団は「洗脳」「マインドコントロール」しているのか?

カルト教団は「洗脳」「マインドコントロール」しているのか?

まず宗教の中に30年間いたわたしの見解では、

“意図”して洗脳・マインドコントロールしている宗教はそれほど多くはない

というものです。中には明らかに洗脳している宗教もあると思いますが、ごく一握りではないでしょうか?

 

ここで強調しておきたいのは

  • 意図して”マインドコントロールはしていない
  • しかし“結果的に”マインドコントロールに近いことをしている

という点です。

 

カルト宗教は自分がマインドコントロールしているとは思っていない

カルト教団が“意図してマインドコントロールしていない”というと疑われるかもしれませんが、これは本当です。

自分たちが洗脳やマインドコントロールをしているとは本気で思っていません。

 

なんだったら「お前はマインドコントロールしているだろう!」と言ってくる人に対して鼻で笑うほどです。

「いやそんなことするわけねえしw」

とか思っています。

 

信者としては、

  • 自分たちが信じている宗教の教義がどれだけ素晴らしいか
  • その教義があなたの人生をどれだけ良いものにするか

を熱く語っているだけで、相手を自分の欲望のために服従させようなんて思っていないんです。

 

勧誘から伝道、入信まで一連の流れは、相手を救うために必要なプロセスだと思っています。

だから洗脳とかマインドコントロールみたいなネガティブな単語は意味合いとして当てはまらないと考えているのです。

 

そしてもちろん洗脳のような

  • 露骨な暴力
  • 電気ショック
  • 体罰

で無理やり伝道するようなことはしません。

それを伝道というかも疑問ですが…。

 

また、マインドコントロールのように

  • 相手の弱い部分
  • 心の隙間

などを狙って思考を変えてやろうとも思っていないでしょう。

 

結果的にはマインドコントロールに近いことをしている

ただ伝道のプロセスを分析してみると、やはりマインドコントロールに近い流れというものは少なからずあります。

 

難しいのは宗教団体側や伝道を担当する信者がそのプロセスをマインドコントロールだと“思っていないこと”です。

これがもしも本当に意図して「洗脳してやろう」とするのなら、にじみ出る悪意から多少の警戒はできるでしょう。

 

しかし実際はというと、

  • マインドコントロールしていると思っていない
  • 自分たちの信じる教義が素晴らしい真理だと本気で思っている
  • そして本気で相手の助けになると信じて接する

など、悪気など一切ないんです。

 

そのため声をかけられた人も

「あ、この人は本気でわたしのことを思ってくれている」
「悪い人には見えない」(実際に“露骨に悪い人”というのは少ないです)

と思ってしまいます。

特に自分のことを本気で考えてくれる人には感動を覚えるものです。

 

相手をだまそうと思わずにマインドコントロールに近いことをしている、しかも迷いなく…。

 

無自覚ほど怖いものはありませんね。

 

neutral-life.hatenablog.com

 

 

カルト教団が洗脳・マインドコントロールする方法

カルト教団が洗脳・マインドコントロールする方法

ここまで無自覚ながらもカルト教団がマインドコントロールをしていることを紹介しました。

注※もちろんすべての宗教がそうだという意味ではありません!

 

そこで気になるのは、

  • どうやってマインドコントロールをしているのか
  • どうやって人はカルト教団の信者になるのか

ということです。

 

大体は洗脳とマインドコントロールの中間くらいのやり方

カルト教団が人を伝道する方法は洗脳とマインドコントロールの中間くらいのやり方です。

 

洗脳とマインドコントロールについて思い出してください。

  • 洗脳:肉体的苦痛(虐待・拷問)、薬物投与、電気ショックなど、暴力的手段を用いて相手の心を支配すること
  • マインドコントロール:心の隙や弱い部分に入り込み、情に訴えるような巧みな言葉で相手の心を変えるよう導くこと

言い換えれば、

  • 洗脳は身体・肉体にアプローチする
  • マインドコントロールは心理・精神にアプローチする

という見方もできます。

 

カルト教団の勧誘の仕方はこの中間なので、

  • 強烈な肉体的苦痛は与えない程度に洗脳
  • 露骨な意識操作はしない程度にマインドコントロール

というように、洗脳とマインドコントロールの要素を含んだものになりやすいです。

 

カルト教団によくある勧誘(伝道)プロセスの例

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では具体的にカルト教団はどのようなプロセスで伝道するのか、代表的な流れを紹介します。

  1. 接点を持つ
  2. 交流・イベント勧誘
  3. セミナー勧誘
  4. 宗教だと明かす。入信を促す
  5. 教育する

もちろんこれがすべてではありません。

 

伝道する相手に合わせてプロセスを柔軟に変える団体もあれば、最初から宗教だと明かして接点を持つケースもあります。

あくまで1つの代表例として参考(参考?)にしてください。

 

①接点を持つ

接点を持つ

接点を持つ方法は多岐にわたるので“これ”というものはありません。

以下にざっと並べてみます。

  • 職場の同僚・上司・部下(元上司とかでもある)
  • 学校の友達
  • 教室の生徒(教室自体が宗教運営ってことある)
  • 街頭アンケート(駅前とかが多い)
  • 占い(最近減ったかな?手相が一時期流行った)
  • ボランティア活動(鉄板)
  • 自宅訪問(日常的にある)
  • 自己啓発セミナー(実は…というパターン)
  • ダイレクトメール(〇〇さんのお友達みたいに)
  • 物品購入(壺とかまだやってる?)
  • その他イベント

要は接点が持てればこの際なんでもいいということです。

 

最近ではSNSも普及しているのでインターネットを活用したものもでてきています。

 

②交流・イベント勧誘

交流・イベント勧誘

一度接点を持てたらしばらくは交流することで相手との距離を縮めていきます

積極的に交流の場を持つために教団が企画したイベントへ誘うことも珍しくありません。

  • ボランティア活動
  • 音楽ライブ
  • クリスマスパーティ
  • スポーツ大会

このようなイベントは交流する機会としてうってつけです。

 

わたしがいた宗教では「登山」というものがありました。

洗脳ほど強く肉体的な苦痛はありませんが、登山となるとそれなりに疲れますよね?

登頂した達成感と心地よい疲労感があるときの会話は軽い高揚感を生み出して、深い話ができるようになるんです。

 

また一緒に困難を克服したことで強い仲間意識のようなものが生まれるので、ぐっと距離が縮まるイベントの1つでした。

 

③セミナー勧誘

セミナー勧誘

ある程度交流ができると今度は啓発セミナーに誘います。

どこかの外界から隔離された施設に泊まってセミナーをするケースがほとんど。

 

最初はイベントとセミナーの境目がわかりにくい程度の内容で、一泊二日または二泊三日くらいのものに誘います。

施設は自然が広がる美しい場所が定番です。

 

初期のセミナーには、

  • スポーツ
  • ゲーム大会
  • 教義に少し触れた面白めのレクチャー
  • キャンドルサービス
  • チャレンジイベント(少し自分の精神的限界を超える体験をさせる)

のようなものが企画されていて、大体終わるころには

「よかった!」

「感動した!」

「また参加したい!」

という感想をもらえます。

(あ、これのサクラ何度かやりました笑)

 

するとセミナーで感動した体験があるので交流はさらに活発になっていきます。

このようなセミナーを何度かくり返しながら、少しずつ教義に共感してもらおうとするんです。

セミナーが進むにつれて内容も濃くなっていきます。

 

ネットで口コミなんかを見ていると、セミナーの期間を長くしていく宗教もあるようです。

 

neutral-life.hatenablog.com

 

④宗教だと明かす。入信を促す

宗教だと明かす。入信を促す

どのタイミングで宗教だと明かすかはある程度基準が決まっていて、大体は一連の流れを取り仕切る幹部が面談します。

 

ここで面談するのは当ブログで紹介しているリーダータイプが多いです。

neutral-life.hatenablog.com

 

ここで最終的な判断を本人に決めさせます。

 

ただしどこまでが本人の意志で、どこまでがセミナーの影響かは微妙なところです。

 

セミナーで高揚感があるタイミングで面談して、その場の雰囲気でイエスと答えることも少なくありません。

 

⑤教育する

 

教育する

入信を決意した人には、その宗教独自のカリキュラムに沿って教育されます。

 

教育期間中にも感動体験をたくさん盛り込んで、どんどん宗教の教義に引き込んでいきます。

そして一連の流れの中に洗脳・マインドコントロールの要素がちりばめられていることが多いです。

 

よくあるのが、

  • 登山
  • 長距離ランニング
  • 有酸素運動
  • 徹夜で祈祷
  • 飛び込みセールス

という肉体的・精神的に疲れるタイミングで教義について語るケース。

  • 肉体的苦痛・心地いい疲労感(洗脳に必要な要素)
  • 精神的苦痛・感動(マインドコントロールに必要な要素)

この2種類のどちらか、もしくは両方同時に与えてから教義を語ると、内容を受け入れやすくなります。

 

最後に

伝道プロセスの一例を紹介しましたが、ここまで読んでいただいた方はこう思ったに違いありません。

「いや、がっつり洗脳しにかかってるじゃん!」

それでもカルト教団は自分たちが洗脳・マインドコントロールしているとは思っていません

 

誰が始めたかもわからないくらいずっと前からこのような方法で伝道してきて、なんだったら伝道する側も同じような方法で伝道されてきたんです。

 

ただ意図してマインドコントロールしているのではなく「伝道するために試行錯誤した結果、マインドコントロールや洗脳に近いカタチになってしまった」というのが実際です。

 

30年間宗教に身を置いていた経験から、このような方法で伝道されてきた人はあとあと面倒な信者になりやすいです。

口ではいいませんが潜在的に「自分の思考を変えられた」という被害者意識があるのでしょう、自分の人生の責任を自分以外の

  • 神仏
  • 教祖
  • 教義
  • 宗教組織

などに転嫁(てんか)している人を数多く見ました。

 

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